こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「暴力団とかには……入ってなかったんですか?」
神宮寺が何かを考えながら言う。
「ああ。入ってなかったって言ってた」
伊澄も、神宮寺に何かを目で伝えながら言う。
(こいつら、こんなに仲良かったのか)
「伊紅はどのへんにいるとか、心当たりある?」
麗が言う。
「………前に住んでいた隣の県、という事しかわからない」
「隣の県」
神宮寺がつぶやく。
「それだけ分かれば、充分だわ」
そう言って、にこりと微笑んで立つ神宮寺。
「美郷?!」
如月が引き止める。
「私、心当たりがあるから、探してみるわ」
そう言って去っていく神宮寺。
「………なんかあの子、かっこいいね」
麗がつぶやく。