こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「あんたのへらへら笑顔のアイドルよりはね」
相変わらずひでーこと言うなぁ、如月は。
でも、なんか変わった。
あんなにピリピリしてた二人の空気が、
なんだか柔らかくなった気がする。
「二人は明日から、どうせ仕事があるでしょう?」
と言う伊澄。
「ああ。でも、暇な時間は、伊紅を探す」
「そんなの、神宮寺に任せるからいい」
と、あっさり断られる。
「…………俺は、伊紅が嫌がるなら、
アイドルやめてでも、あいつを手に入れる」
「はあ?!」
驚く伊澄。
「俺も。アイドルやめて、ファンを失ってでも。…………………伊紅だけは、俺の側にいてほしいんだ。」
「………お熱いわぁ」
如月が、ボソリとつぶやく。
「………………好きにすれば」
伊澄もいい加減、諦めたのか、疲れた顔で頷いた。