こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


「それは、居場所があるからだろ」


夜。


そのことを累に話すと、そう言われた。



「あいつらは自分の居場所を見つけられたから、

自分に自信もついて、学校にも行けるようになったんだ。

なのに突然、1番信じてた奴がいなくなって、また不安になってるんだろ。

それだけあいつらにとって、お前は大事だってことだろ」


珍しく口数の多い累。




「………そう、なのか」



「耳。赤いぞ」

「うるさいな!」


珍しくからかってくる累。


そのまま、
累の淹れてくれたココアを飲んでいると。


「…………俺もだよ」


向かいの席に座る累が、ぽつりと呟く。

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