こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「ねえ!この辺の高校生?」
「?はい………」
「櫻木伊紅って子、知ってる?」
「櫻木伊紅?!」
その子は、目を見開いた。
「知ってるの?!」
「はあ?知らないの?おまえ……てあっ!」
俺の顔を凝視して、気づいてしまった高校生。
「えっ?!え…………?!」
「あ、ごめん。プライベートなんだ。」
そう言って、しーっと人差し指を立てる。
「それで?………その子、有名なの?」
「………ああ、はい。この辺じゃ、知らないやつ、いないと思うっす」
嫌な予感がした。
「昔、この辺の夜の繁華街とかで、
不良相手に暴れまわってたんスよ。
他にも、3人の仲間を引き連れて。」
これは、伊澄が言ってたことと同じだ。