こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「今じゃ伝説みたいになってて…。
その辺の不良も、『櫻木伊紅』には、
少人数じゃ手を出さないそうです」
「………そうなんだ。ありがとう」
「……あの、サインもらってもいいスか?」
その子にサインをあげて立ち去る。
まず、伊紅よりも、
仲間3人のことが気になる。
男二人、女一人って言ってたけど……。
なんて考えながら歩いていると。
「わっ!」
「おわっ!」
角から出てきた女の子とぶつかりそうになる。
「ごめん……!大丈夫……?!」
と声を掛けると。
「桃?どうしたの?」
後ろから、男の子の声がする。
「………」
二人とも、すごく整った顔。
女の子は人形みたいに繊細な顔立ちで、
ふわふわ揺れるロングの髪は本当にきれいな色をしている。
男の子は外国人の血が入っているのか、薄青い目に薄茶の髪で、可愛い顔をしている。
カップルかなぁ?