こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「ねえ、聞きたいことがあるんだけど」
と言うと。
「なんですか?」
と答える女の子。
男の子の方は、
超絶面倒くさいという顔をしている。
「あのさ、櫻木伊紅って子、知らない?」
すると。
「?!」
鋭い目つきになった、女の子と男の子。
「……………なに?またケンカ?」
女の子の口調が変わる。
「え……?伊紅、この街にいるの?」
と聞くと。
「知りません。行こ」
そう言って、女の子の腕を掴んで去って行こうとする男の子。
「ちょ、待って!」
知ってそうな雰囲気のあるその子たちに声を掛ける。