こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
その夜中。
珍しく、累が「今日はやめとこう」
と言って、なしになった夜のケンカ。
みんなが行かないなら、私も行かない。
たぶん、今日のことのせいだし。
ベッドに入って、
窓から見える星空を眺めていると。
キィーーーーーー。
ドアの開く音がした。
ペタ………
「………冬弥?」
お風呂から出たところなのか、
少し髪が濡れている。
「どうしたの」
「…………伊紅」
不安そうな、目。
「あいつに………。
今日のあいつの所に、いつか帰っちゃうの?」
「え?」
立ち尽くして、下を見つめたままの冬弥。
「………冬弥。一緒に、寝る?」
「えっ………?!」
「なに?前はたまに一緒に寝てたでしょ」
と言うと。
「……………う〜っ!!寝るっ!」
そう言って、もそもそと潜ってくる冬弥。
「……あのねっ伊紅!
他の人には、
こういうのしちゃダメなんだからね!」
「わかってるよー。こんなの、冬弥と弟の伊月ぐらいにしかしないよ」
「…………なら、いいけど。
ていうか、僕も男なんだからねっ!」