こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


そこへ。


「ただいま」

麗が来た。



ここはカフェ。

聞き込みが終わったら落ち合うことになっていた俺達。



「………どうだった?」


こいつの顔を見ればわかる。

何か、あった。



「……………伊紅は、この街にいるのかもしれない」


ああ、同じこと思ってる。


「……俺の聞いた奴らもみんな言ってた。
『あいつには手を出すな』
『また暴れまわってるらしい』ってな。」

「うん……」


「仲間の名前を聞いてきた。」

えっ、と視線を上げる麗。

「夏はこういう時、冷静だし頭が回るからうらやましいな」

「……」



俺はお前みたいに、思ったことを何でも言えるところがうらやましいよ。


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