こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「まず、『登坂累』。こいつがたぶん、
伊紅たちの頭脳部分の役割をしてる。
こいつは、全国模試でもトップレベルにいる頭脳を持つらしいけど、中3くらいから、
急に伊紅と並んで有名になったらしい。」
「戦えるの?そいつ」
「ああ。『櫻木伊紅』って言ったら、
たいてい『登坂累』も並んで呼ばれるって言ってた奴もいた」
…………そいつは、伊紅の何なんだ。
これを聞いた時も、
どす黒い感情がこみ上げてきた。
「…………あとは?」
「『貝塚桃』」
そこで、麗の目が見開かれる。
「もも?」
「ああ。………………何?」
いや、続けて、と言う麗。
「そいつも、累って奴のすぐ後から入ったらしい。ケンカも強いらしい。女だって言ってた。
あとは、『澤田冬弥』。外国人の血が混じってるらしい。」
「……………やっぱり」
麗が下を見ながら呟く。
「?」
「俺、さっきその子たちに会った」
「……………………ああ?!」