こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!




駅から少し歩いたところにある、
ファミレス。


佳菜子ちゃんと真希ちゃんとも、
何度か来たことがあった。




カランーーー


ジュースの氷の音が、嫌に響く。



「俺、君にずっと、会いたかったんだ」

「………」


「俺が余計なことをして、伊紅ちゃんは
余計に傷を負ってしまった。


………元は、俺のせいなのに。」


「先輩は、悪くないんです。

私が、クラスメートの気に触るような性格だったんですよ。」


ああ、気まずい。

私は会いたくなんて、なかった。



進んでいる先輩と、
あの時から時間が止まっている私。


痛いほど、自覚してしまう。

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