こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


「………………………は?」


先輩は3年経って、おかしくなった?



「俺、父さんの会社を継ぐんだ。

だから春からは大学じゃなくて、父さんの会社の、外国の支社に学びに行く。


君を不幸にしたのより倍以上、君を幸せにしたい」


「………………………」



唐突過ぎて、何も言えない。

でも先輩は、そんな私には構わず、
どんどん言葉をぶつけてくる。



「好きだったんだ、ずっと。

初めて話した時よりも前から。」


「ま、え………?」

やっと出た言葉も、ちゃんと繋がらない。



「伊紅ちゃんが俺達の学年で噂になってて、

伊紅ちゃんを見かける度に、皆で見てた。

その内に、笑った顔とか、すっごく好きになって……。


あの時ぶつかったのだって、ラッキーだった。」

「…………」



「伊紅ちゃんには、大事な奴がいるって、
分かってたけど。

でも、君と3年も会わない間、ずっと、
ずっと会いたかった。

ほんとに、伊紅ちゃんの全部が、好きなんだ」
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