こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
その部屋のベッドに寝ていたのは、
俺の妹の、園香。
ババッ!と背中の後ろにフォークを隠したのを見逃さなかった。
「………園香」
「な、何ー?」
「またケーキ買ってこさせて、食べてたでしょ」
「えーっ?そんなことないけどー?
人を疑うなんてアイドルとして最低〜」
ほっぺたにクリームが残ってますけど。
俺の視線の先に気づいたのか、
慌ててクリームをぺろりと舐める園香。
「もーっ!そんなにお見舞いとかいらないんですけどー!」
「心配だから」
そう言うと園香は、キョドり始める。
俺たちは長年のケンカ(?)からやっと仲直りできた。
俺の母さんは随分前に父さんとは別居状態。
父さんも干渉してこない。
あれから、俺と園香、
それぞれが母親に話をすると、お互いに会おうって話になった。
園香が骨折や打撲で大怪我をしてたから、
夏休みの間は入院になってしまったので、
俺と俺の母さんが園香の病室によく通うようになった。