こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「ガチのヤクザだったらやばいよな………」
ぽつりと、つぶやく累。
「どうしてー?」
冬弥が聞く。
「銃とかナイフとかを持ってるかもしれないからだ」
「銃っ?!」
さすがの私たちも、銃までは避けられない。
「もう、しばらくこもる………?」
桃が言う。
「…………その方がいいかもしれない。
けど……」
累の視線が、私に向けられる。
「おまえ、我慢できる……?」
そう。
私はこの1週間、いつにも増して暴れまくっていた。
どれだけケンカしても、倒しても、
イライライライラ、不安が消えない。
「…………今日だけ、行かせて。
みんなは、来なくて大丈夫だから」
「姉さんのバカっ!」
隣から大声。
「うちらはみんな、姉さんと一緒なのっ!」
思わず、笑みがこぼれてしまった。