こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
その夜。
繁華街から少し離れた駐車場に累と冬弥のバイクを置いて、いつものように、繁華街へ向かった。
するとやっぱり。
「櫻木伊紅、登坂累、貝塚桃、澤田冬弥」
いきなり、私達の本名が言われる。
もちろん、私たちはすぐに臨戦体勢。
ちょうど、人気のない道だった。
「「「「!!!!」」」」
最初は二人しかいなかったのに、
路地裏からぞろぞろと人が出てきた。
「………ちっ。多いな」
累が小声で言う。
敵の誰かが走り出したのを合図に、
私たちは一気に走りだした。
いつものように、どかどかと倒していく。
怒りと不安に任せて。
「ちっ!こいつらやべえ」
時々聞こえてくる、恐怖の声。
そうだよ。
簡単に勝てるなんて、思うな。