こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
side 櫻木伊紅
熱い。
左足が、焼けるように熱かった。
私はふらふらと、その場へ倒れた。
「伊紅っ!」
後ろから、私を呼ぶ声がした。
目の前には、銃を持った男。
(銃を出す気だ)
あの時とっさに、その方向へ向かって走った。
銃を持った男の腕を掴んで下へ振り下ろした瞬間だった。
銃声が響いたのは。
「ッつ………!」
「あーあ~。当たっちゃったね〜。」
目の前の男が、私の前にしゃがむ。