こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「おい、大丈夫?」
ヤクザたちが去ったあと、
力尽きたように座り込んだ3人。
麗は優しくいたわっている。
でも。
バシッ!
「さわるんじゃねーよ」
ハーフみたいな顔した奴が、麗の手をはたき落とす。
隣で腕を押さえて座り込む女も、
俺たちを睨みつけて黙ったまま。
「弱えなぁ。所詮仲間なんて自分の命がかかれば、見捨てられるんだな」
「何?!」
二人がぎろりとこちらに視線を向ける。
「ふざけんなはこっちのセリフだ。
人のもん横取りしやがって」
「はあ?」
ひときわ低い声が、
『冬弥』から発せられる。
「……誰がおまえの?
勝手なこと言うんじゃねーよ。
肝心なときに『幼なじみ』だったお前は
いつでもいないじゃないか」