こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「できたよー。伊月は友達できたー?」
「うん!あのねー、かなちゃんとー、みみちゃんとー、さきちゃんとー…」
「「女の子ばっかじゃん」!」
私と伊澄の声が被る。
そう。
伊月は天然の女タラシ。
無自覚の小悪魔。
兄の伊澄同様、整った顔をしている。
ほんとにちっちゃい時の伊澄にそっくり。
(こいつはこんなに愛想よくなかったけど)
なんて思いながらじとーっ、と見ていると
「愛想よくなくてわるかったね」