こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
side 櫻木伊紅
「あ、起きた?」
目が覚めると、
私は広い部屋のベッドの上だった。
(……………いつ、気を失ったんだっけ。
………それよりも。)
目の前にいたのは、
私の知っている人だった。
「侑李先輩」
その人はにこっ、と微笑んだ。
理解ができない。
なぜ、先輩が?
ここはどこ?
「ここは俺の家の1つ。俺が住んでるんだ。」
「………私は暴力団に連れてこられたはずなんですけど」
「そうだね?」
先輩はニコニコ笑顔。