こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
ふん、なんて言ってくる伊澄。
「伊澄は伊月とはちがうけどモテてるからいんじゃない?」
「……」
まあ、伊澄のことは放っておいて。
なんでうちの弟二人の顔がこんなに整っているのかというと。
「あー!伊紅ーっ!遅かったじゃない!
心配したんだよー!」
「ただいま、花ちゃん。遅くなってごめん」
ぱたぱたとリビングから出てくる女の人。
パッチリ二重にふわふわのロングの髪。
それに抜群のスタイル。
我らが母、櫻木花(さくらぎはな)。
なぜか子供に花ちゃんと呼ばせるお茶目な母。