こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「………下。なんで騒がしいの?」
「……さあ。ヤクザたちがはしゃいじゃっててさ。」
そんなわけ無い。
「誰か、来てるんでしょう?」
「……伊紅ちゃんには関係ないよ」
誰か、来てるんだと思う。
なんとなく、私の勘だけど。
「………降ろして」
「………伊紅ちゃん?ちょっと黙っててね〜?」
あの、黒い先輩が戻ってきたのが分かった。
でも。
やだ。
この人には、付いて行きたくない。
「降ろして!……離して!」
私はもがいた。
「嫌だ。君はもう離さないから。
黙ってて。」