こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


聞こえたのは、鈍い音。






私じゃ、ない。



「…………夏、葉」




目を開けると、広い背中があった。

夏葉は、ゆっくりと、その場に跪いた。



「夏葉っ!」
「夏!」


私も麗も、夏葉に駆け寄る。




みるみるうちに、夏葉の足元がどろどろとした赤い液体で染まる。



「…………なつ……」





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