こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「………あーあ~。間違えちゃった〜。
俺の邪魔するから。」
先輩は、ふらふらと立ち上がる。
「伊紅ちゃん。反省した?」
先輩の手が、近づいてくる。
パシッ
その手を、払いのける私。
「伊紅ちゃ…」
「触るなよ、きったないな」
私の話し方に、驚いた顔をする先輩。
「きった、ない……?」
「伊紅………?」
近くにいた麗も、不思議そうな顔をする。
「お前みたいな奴、きらい」
もう、足の痛みなんて、感じなかった。