こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


「…………はぁっ……」

「伊紅っ……!」


倒れている夏葉を支える麗のもとへ行く。




「………伊紅……」

苦しそうに、私の名前を呼ぶ。


「…………夏………」


そう呼ぶと、驚いた顔をする夏葉。







「……………もっかい、呼んで………」





苦しいはずなのに、嬉しそうに笑って言う夏。





「……夏」


私は昔、夏葉をこう呼んでいた。

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