こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


夏は私の巻き添えを食らってしまっただけ。


「仕事も、しばらく活動休止にしたんでしょ?」



夏を見ると。


「ケガしてよかったって思ってる。」


「………はあ?」


けろっとした顔で私をまっすぐ見ながら


「俺が芸能人になったのは伊紅が言ってたからだし。

俺がケガした時にショックで伊紅がきおく思い出したし。


別にいい。」



きらきら眩しい笑顔。


「………は、恥ずかしいから!
あんまりそういうこと言わないで!」


夏は冷たいことを言ったり、
無表情だし何考えてるか分かんない。


でも。


本当は優しいってこと。


今の私も、記憶がなかったころの私も、知っていた。


私の大事な大事な人。

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