こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!

「………ごめん。助けに来てくれて、
ありがとう」


そう言うと。


「伊紅!」

伊澄が、私を抱きしめた。


「伊澄………」

「ばかっ!死んだらもう会えないでしょ!
せめて行方不明で留めてくんない?!」


伊澄にも、心配かけちゃったんだね。

前みたいにそんなにやつれてはいなかったけど。




「姉さぁぁん!」
「伊紅ぅーっ!」


走ってきたかわいい女の子と男の子。


「桃、冬弥………」


二人して伊澄を押しのけて私に抱きつく。


「ごめんなさぁぁぁい!もうケンカやめようー!

姉さんが死んだらどうしようかと思ったぁぁ!」


「僕だったらあと追って自殺するぅぅ!」


「……や、自殺はやめてよ」


わんわん泣きじゃくる二人。
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