こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「伊紅」
静かに、累が二人の後に続ける。
「俺がついてながら、ごめん。
こいつらが伊紅を助けに行くって教えてくれたんだ。
連れて来といてなんだけど、
こいつらのとこに、戻ってやれ」
累は、私たちの周りにいる、伊澄、美郷、麗ちゃんたちを見ながらそう言った。
「累…………」
「姉さん。私たちには、会いに来てくれればいいから。」
「来なかったら、僕たちが会いに行くから」
二人とも、涙をごしごし腕で拭いながら、
私のためにそう言ってくれる。
「うん。みんな、本当にありがとう。
助けに来てくれて、ありがとう」