こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「美郷の家が極道一家だったなんてね」
「伊澄が言ってたけど、あいつ、家でだけ言葉遣いが乱暴なんだと」
「え?なんで伊澄が知ってるの?」
「それが、図書室で勉強会してたときに
美郷が席を立って電話に行ったらしいんだ。
で、ジュースを買いに行った伊澄が、
電話での神宮寺の言葉使いを聞いちゃったらしいな」
「えーっ」
「で、誰にも言うなって脅されてたんだと」
「そんなことするの?美郷」
「でも今は付き合ってるんだろ?」
……………………え。
そうなの?
「どっちからも何も聞いてないんだけど」
「俺は伊澄に聞いたけど」