こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
とそこで。
ガラララララーーーーーー
ドアの音。
「………………」
「………………」
「………チッ、気ぃ効かせろよ」
むすーっ、とした顔をして立っている
麗ちゃん。
と、後ろににやにやした園香。
「れ、麗ちゃ…………………」
スタスタと、私の所まで歩いてくる麗ちゃん。
そして。
「おめでとう、伊紅」
にっこりと、私に笑顔を向けて、
私を抱きしめた。
「…………へ」
「夏に取られたのは悔しいけど、
伊紅が笑ってられるなら、いいんだ。
チャンスがあれば、いつでも奪いに行くけど」
「麗ちゃん…………」
「おい、何どさくさで抱きしめてんだよ」
夏が不満そうに言ってくる。
「ちょっとはいいじゃーん!
器が小さい男はっ……………もてないよっ!」