こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「…………いや、見た目命のアイドルが
あの時みたいに体張るのだけはヤメテ…」
あの時の、
背筋の凍るような感覚が忘れられない。
「売れなくなったら伊紅だけに
愛されるだけだからいいし………」
「……………何がいいのか分からない」
「……………」
すーすーと寝息をたて始める夏は。
まつげが長くて髪の毛はさらさらしてて
まるでダメージというものを知らなそう。
なんでこんなイケメンなんだ。
なんでこんなんが私の幼なじみ?
「……………なんで私の彼氏?」
不思議で仕方がない。
当のアイドルの彼氏は私の腰に腕を回して
私のお腹に顔を擦りつけて爆睡中。
こんな嘘みたいな恋愛あるわけ、
ないよね。
でも実際、あるんです(笑)