こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
なんて聞こえるけど、そんなのどうでもいい。
麗の方を見る。
「……………え?」
いつもの王子スマイルが固まっている。
『櫻木伊紅』
それは俺たちが芸能人になろうと思ったきっかけ。
目立つのも好意を向けられるのも嫌いというより、むしろ気持ちいいと思っていた当時の俺たち。
離れても、伊紅が俺たちを忘れないようにって、ここまで努力してようやく最近、知名度が上がってきた。
その努力の原動力は、あいつに会いたいって、気持ちがほとんど。
やっと。
やっと、帰ってきた。