こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
俺達のことを忘れた?
それとも、もう関わりたくない?
「何にしろ」
夏がぽつりと、言う。
「俺は『忘れました』、『はいそうですか』で済ます気はねぇ」
夏が言うことはいつもかっこいい。
あのとき伊紅が俺たちに言った『ヒーロー』は、ちゃんと俺も含まれてるのかな。
でも。
「そうだね。俺もこんなの、簡単に諦められないから。」
伊紅には、前みたいに一緒にいてほしい。
そのために、アイドルになったようなものだから。