こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
「伊紅、速かった!すごい!すごいよ!」
園香が嬉しそうに言う。
「ははっ、園香もめっちゃ速かったじゃん」
「園香はこれしか取り柄がないからねー。中学は陸上部だったし。」
「二人とも、お疲れさま。すごかったわ。ところで」
くるっ、とこっちを向く美郷。
「?…なに?」
「伊紅ちゃん、部活には入らないの?」
「そうだよ!足速いんだし!園香より速い人だって男子にもほとんどいないのに。伊紅はそれぐらい速いんだからさぁ」