こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!
side 青葉麗
今日の仕事は午後から。
「ねぇ。夏」
「あ?」
「昨日、すごかったね、伊紅と伊澄」
「俺も正直驚いた。あんなすばやく動けるもんなんだな。」
「俺たちもダンスとかで鍛えてるはずなのにねー」
いまだに、昨日のことが、頭に焼き付いて離れない。
いつもだったら面倒だから行かないけど、今日は学校に行く。
伊紅がいるから。
「おはよう、麗くん!夏葉くん!」
「昨日のバラエティ、すっごい面白くて2回も見ちゃったよー!」
「二人のCD、来月発売だよね?!予約したー!」
「私も私も!」
今日も騒がしい女子たちに囲まれて教室へ向かう。
なんだか、この状況を伊紅に見られるのは、嫌だ。
俺が一緒にいたいのは、伊紅だから。
なんて思ってると。
「おい、麗。」
夏が話しかけてくる。