中島君と二宮さんは、いい感じ。
校舎裏にて『壁ドコッ!!』 by中島君
*
「あり? こんなとこまで来ちゃったよ」
俺は、入学したばかりの高校で迷い、校舎裏に行き着いた。
まいったなぁー。やっぱ、方向オンチの俺が、慣れない校舎を一人でウロつくのは無謀(むぼう)だったなー。
……おや? 誰かいるのか?
複数の声が耳につく。
何気なくその方向を見ると──
図体のデカい男子二人が、女子一人を絡んでいた。
「君、新入生? かわいいね~。ブレザー姿も初々しくてさぁ」
「俺らで構内を案内してあげるよ~」
あの坊主頭の二人……ネクタイの色からして三年生だ。新入生を絡むとは卑劣だな。
そして絡まれてる女子は、見覚えのあるコだった。
あれは確か……二宮……だっけ?
俺と同じクラスで、同じ出席番号の女子だからすぐに覚えた。まだよく話したことないけど、大人しそうというか、控えめというか……だから絡まれやすいのかも。
「いえ……結構ですっ……」
二宮……今にも泣き出しそうだな。
さて……と。どうするかな?
辺りを軽く見渡すと……
お。こんなところにいい物が。
近くに転がっている野球ボールを発見。
(……二宮。俺が今、卑劣な三年生から助けてやるからな。待ってろよ)
俺はボールを手に取ると、思いっきり振りかぶり、三年坊主二人組と二宮の間に……
投げつけた!
ビュッ……と音を立てて投げられたボールは、予想以上に勢いを増し……結果、
ドコォッ!!
壁にめり込んだ。
……あ。やっば。やりすぎた。ちょっと驚かすだけのつもりだったのになぁ。
これじゃあ『壁ドン!!』ならぬ──
『壁ドコッ!!』だな。
二宮含めて、三人とも固まった。何が起きたか理解出来ていないみたいだった。
ま……これはこれでいっか。結果オーライっつーことで。
あの二人が油断してる隙に、二宮を助けに行こう。
俺は、三人の元に駆け寄った。
「あり? こんなとこまで来ちゃったよ」
俺は、入学したばかりの高校で迷い、校舎裏に行き着いた。
まいったなぁー。やっぱ、方向オンチの俺が、慣れない校舎を一人でウロつくのは無謀(むぼう)だったなー。
……おや? 誰かいるのか?
複数の声が耳につく。
何気なくその方向を見ると──
図体のデカい男子二人が、女子一人を絡んでいた。
「君、新入生? かわいいね~。ブレザー姿も初々しくてさぁ」
「俺らで構内を案内してあげるよ~」
あの坊主頭の二人……ネクタイの色からして三年生だ。新入生を絡むとは卑劣だな。
そして絡まれてる女子は、見覚えのあるコだった。
あれは確か……二宮……だっけ?
俺と同じクラスで、同じ出席番号の女子だからすぐに覚えた。まだよく話したことないけど、大人しそうというか、控えめというか……だから絡まれやすいのかも。
「いえ……結構ですっ……」
二宮……今にも泣き出しそうだな。
さて……と。どうするかな?
辺りを軽く見渡すと……
お。こんなところにいい物が。
近くに転がっている野球ボールを発見。
(……二宮。俺が今、卑劣な三年生から助けてやるからな。待ってろよ)
俺はボールを手に取ると、思いっきり振りかぶり、三年坊主二人組と二宮の間に……
投げつけた!
ビュッ……と音を立てて投げられたボールは、予想以上に勢いを増し……結果、
ドコォッ!!
壁にめり込んだ。
……あ。やっば。やりすぎた。ちょっと驚かすだけのつもりだったのになぁ。
これじゃあ『壁ドン!!』ならぬ──
『壁ドコッ!!』だな。
二宮含めて、三人とも固まった。何が起きたか理解出来ていないみたいだった。
ま……これはこれでいっか。結果オーライっつーことで。
あの二人が油断してる隙に、二宮を助けに行こう。
俺は、三人の元に駆け寄った。