冷たいキスと獣の唸り~時間を巻き戻せたら~
第2章 経過観察
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朝、目を覚ますと共に瑞季は唸り声を上げた。
最悪なのか、最高なのか悩む夢を見たのだ。
ただし、それは単なる夢とは違う。
久しぶりに見た伴侶の夢は、今までと違って生々しく、エロチックなものだった。
瑞季が最も好む深く青い色をしたシーツの上に広がる黒髪と、見悶える色白な裸体。その体にのしかかり、柔らかな体の感触に溺れていた。
小ぶりな胸の尖りはじめた先端を舌で転がしながら、片手を下へと滑らせて足を開かせる。力の入らなくなっていた体は素直に開き、甘い蜜を滴らせている中心を簡単にさらけ出した。
瑞季は何度も指先で上下に撫でながら、興奮の匂いとその感触に酔いしれる。
一本の指を滑らかになった狭い器官に忍び込ませると、彼女の体はのけ反りもっと奥へと誘うように収縮して物欲しそうに腰を揺らしはじめた。
蕩けきった誘惑。
欲求で固くなる体。
自身を深々と彼女の中に埋めた瞬間、伴侶の顔が見えた。
瞳は赤く輝き、唇の端から官能的なまでに尖った牙がーー。