MAOU LIFE
~MAOU LIFE 18日目~
宇宙人『資源を採り尽くして星が滅んでしまってから20年…早く新しい星にたどり着かねば船が定員オーバーしてしまう…』
緑色で艶々プニプニしたタコ型の知的生命体が無数に乗った宇宙船が、漆黒の宇宙空間を漂っていた。
宇宙人A『司令官、アレをご覧下さい!前方に不思議な3惑星が見えます!』
船の前方には青く澄んだ星と虹色に煌めく星と赤黒く淀んだ星がトライアングル状に並び、鎖のような線でそれぞれの星が繋がっていた。
司令官『ムムっ、アレは高度な文明を持つ星に違いない…早速乗り込み、制圧する!』
宇宙船は虹色の星の方に舵を切り進んだが、謎の防御壁に当たり、赤黒い星の方に跳ね返された。船は諦めずに虹色の星に向かって、防御壁を破壊する為の砲撃を撃とうとしたが、突然船の操作が利かなくなった。どうやら赤黒い星の重力の影響を受けた様で、船の周りが赤黒い炎に包まれて、その星に引き寄せられていった。
司令官『くそっ!なんだこの星は!?』
船が星に近づくにつれ、機体が炎上。そして爆発する事なく、機体そのものが燃え尽き、塵と化した。そこからは船内に居た無数の宇宙人達は散り散りになりながら異境の地に叩きつけられていった。
宇宙人『くっ…なんとか助かったが…はっ!?ディビットー!!!!』
生き残った宇宙人の1人が自分のすぐ横で肉片を飛び散らして死んでいるのを目撃してしまった。
宇宙人『ディビット…可哀想に。結婚したばっかだったのに…こんな!こんな事って!』
宇宙人は触手で仲間の亡骸にそっと触れ、見開いた目を閉じさせてやる。
宇宙人『他の奴らももしかして…う、うわぁぁぁぁぁ!!!!』
ふと周りを見渡すと、仲間達の無残な姿の残骸がそこら中に散らばっていた。大地は緑の蛍光色のヌルヌルした体液に濡れ、妖しく光を放っていた。
宇宙人『う、うえっ…』オボロロロロ…
宇宙人は濃い緑色のゲル状の吐瀉物を吐き散らしながら、10本の触手でウニョロロっと走っていった。
宇宙人『どうして…どうしてこんな事になった!?我々は虹色の星を侵略しようとしただけなのに!!!!なんでこんな得体のしれない気持ち悪い星なんかに!!!!…うわっ!』ベシャ…
落ちていた大きな獣の骨につまづいて宇宙人は転倒してしまった。
宇宙人『…帰りたい…船に帰りたいよ…皆に会いたいよ…』ガクガク…
彼は震える身体で起き上がり前を見ると、そこにはボロボロの小屋があった。部屋の灯りがついているので、中に誰かがいるようだ。
宇宙人『…以前歴史資料データで見たな…何万年前かの建物でアパートとかいったっけ…この星は随分と文明が遅れているんだな…』
彼はふと思った。文明の発達していないこの星で、一応知的な生活を営む生物相手なら、万が一戦っても勝てるのではないかと。生活を乗っ取り、他の生き残った仲間を探す為の拠点にしようと考え、アパートの一階の呼び鈴を鳴らした。
宇宙人『とりあえずは宿を借りる為の話をしてみて、無理そうなら戦って絞め殺し…』
ガチャっとドアが開くと、中から恐ろしい見た目の男が出てきた。何かこちらに喋っているが、何と言っているのか分からない。
宇宙人『いや、無理。こんな化け物見たこと無いよ…。絞め殺す前に引きちぎられそう…』ガクブル…
男は彼の頭を突然掴み、部屋の中に連れて込んだ。宇宙人は震えが止まらない。
宇宙人『ごめんなさい!ごめんなさい!乗っ取ろうとか絞め殺そうとか考えてごめんなさい!嘘です嘘です!………あれ?』
男は自分を部屋の真ん中の丸い台の上に乗せて、自分はそのまま床に寝転がった。何かまた言葉を発しているが、何語か分からない。とりあえず助かったようだ。
宇宙人『俺を助けて…くれたのか?』
彼は緊張が解け、ホッとして脱力した。さっきは気が付かなかったが、部屋の中にはもう2人居た。派手な格好の女と赤子が目に入った。
宇宙人『気が付かなかった…多分この3人は家族なんだろうな。ん?もしかして風呂の用意をしてくれているのか?俺にはそんな必要無いんだが…まぁ、文明が遅れているから分からないのも仕方ないか。ありがたく頂いておこう』
女が風呂の支度をしてくれている。ちょうど彼が収まるサイズの浴槽だ。それからしばらくして湯が沸いた。ちなみに風呂はドラム缶風呂というかなり古いタイプの鉄風呂だ。さっきまで寝ていた男が起き上がり、再び彼の頭を掴んだ。
宇宙人『あぁ、入れてくれるのか?すまない。このタイプの風呂はふちが熱くて確かに入りづらいしな。見た目は恐ろしいが、親切な種族だな…これならテレパスで洗脳して忠実な奴隷に出来………あちぃーーーーーー………!!!!』ブクブク…
男は彼を風呂の中に放り込み、風呂の上にフタをした。彼は煮えたぎる熱湯にもがき苦しみ、必死に叫びながらフタを開けようとしたが、上から押さえられているらしく開かない。彼がさっき思った事がバレて怒ってしまったのか、よく分からないがこれから自分が殺される事だけはわかる。
宇宙人『助けて!ごめんなさい!死にたくない!何でもするから命だけは!(心の声)』ガボガボ…
思い虚しく、彼は煮えたぎる湯の中で最後まで意識が途絶える事なく苦しみ、そして力尽きた。
魔王「このタコ…全然赤くならんな…」
魔王妃「そうですねー…」
魔王「とりあえず食ってみるか…」パクッ…
魔王妃「どうですか…?」
魔王「………廃棄」ペッ…
~MAOU LIFE 18日目~ 終
宇宙人『資源を採り尽くして星が滅んでしまってから20年…早く新しい星にたどり着かねば船が定員オーバーしてしまう…』
緑色で艶々プニプニしたタコ型の知的生命体が無数に乗った宇宙船が、漆黒の宇宙空間を漂っていた。
宇宙人A『司令官、アレをご覧下さい!前方に不思議な3惑星が見えます!』
船の前方には青く澄んだ星と虹色に煌めく星と赤黒く淀んだ星がトライアングル状に並び、鎖のような線でそれぞれの星が繋がっていた。
司令官『ムムっ、アレは高度な文明を持つ星に違いない…早速乗り込み、制圧する!』
宇宙船は虹色の星の方に舵を切り進んだが、謎の防御壁に当たり、赤黒い星の方に跳ね返された。船は諦めずに虹色の星に向かって、防御壁を破壊する為の砲撃を撃とうとしたが、突然船の操作が利かなくなった。どうやら赤黒い星の重力の影響を受けた様で、船の周りが赤黒い炎に包まれて、その星に引き寄せられていった。
司令官『くそっ!なんだこの星は!?』
船が星に近づくにつれ、機体が炎上。そして爆発する事なく、機体そのものが燃え尽き、塵と化した。そこからは船内に居た無数の宇宙人達は散り散りになりながら異境の地に叩きつけられていった。
宇宙人『くっ…なんとか助かったが…はっ!?ディビットー!!!!』
生き残った宇宙人の1人が自分のすぐ横で肉片を飛び散らして死んでいるのを目撃してしまった。
宇宙人『ディビット…可哀想に。結婚したばっかだったのに…こんな!こんな事って!』
宇宙人は触手で仲間の亡骸にそっと触れ、見開いた目を閉じさせてやる。
宇宙人『他の奴らももしかして…う、うわぁぁぁぁぁ!!!!』
ふと周りを見渡すと、仲間達の無残な姿の残骸がそこら中に散らばっていた。大地は緑の蛍光色のヌルヌルした体液に濡れ、妖しく光を放っていた。
宇宙人『う、うえっ…』オボロロロロ…
宇宙人は濃い緑色のゲル状の吐瀉物を吐き散らしながら、10本の触手でウニョロロっと走っていった。
宇宙人『どうして…どうしてこんな事になった!?我々は虹色の星を侵略しようとしただけなのに!!!!なんでこんな得体のしれない気持ち悪い星なんかに!!!!…うわっ!』ベシャ…
落ちていた大きな獣の骨につまづいて宇宙人は転倒してしまった。
宇宙人『…帰りたい…船に帰りたいよ…皆に会いたいよ…』ガクガク…
彼は震える身体で起き上がり前を見ると、そこにはボロボロの小屋があった。部屋の灯りがついているので、中に誰かがいるようだ。
宇宙人『…以前歴史資料データで見たな…何万年前かの建物でアパートとかいったっけ…この星は随分と文明が遅れているんだな…』
彼はふと思った。文明の発達していないこの星で、一応知的な生活を営む生物相手なら、万が一戦っても勝てるのではないかと。生活を乗っ取り、他の生き残った仲間を探す為の拠点にしようと考え、アパートの一階の呼び鈴を鳴らした。
宇宙人『とりあえずは宿を借りる為の話をしてみて、無理そうなら戦って絞め殺し…』
ガチャっとドアが開くと、中から恐ろしい見た目の男が出てきた。何かこちらに喋っているが、何と言っているのか分からない。
宇宙人『いや、無理。こんな化け物見たこと無いよ…。絞め殺す前に引きちぎられそう…』ガクブル…
男は彼の頭を突然掴み、部屋の中に連れて込んだ。宇宙人は震えが止まらない。
宇宙人『ごめんなさい!ごめんなさい!乗っ取ろうとか絞め殺そうとか考えてごめんなさい!嘘です嘘です!………あれ?』
男は自分を部屋の真ん中の丸い台の上に乗せて、自分はそのまま床に寝転がった。何かまた言葉を発しているが、何語か分からない。とりあえず助かったようだ。
宇宙人『俺を助けて…くれたのか?』
彼は緊張が解け、ホッとして脱力した。さっきは気が付かなかったが、部屋の中にはもう2人居た。派手な格好の女と赤子が目に入った。
宇宙人『気が付かなかった…多分この3人は家族なんだろうな。ん?もしかして風呂の用意をしてくれているのか?俺にはそんな必要無いんだが…まぁ、文明が遅れているから分からないのも仕方ないか。ありがたく頂いておこう』
女が風呂の支度をしてくれている。ちょうど彼が収まるサイズの浴槽だ。それからしばらくして湯が沸いた。ちなみに風呂はドラム缶風呂というかなり古いタイプの鉄風呂だ。さっきまで寝ていた男が起き上がり、再び彼の頭を掴んだ。
宇宙人『あぁ、入れてくれるのか?すまない。このタイプの風呂はふちが熱くて確かに入りづらいしな。見た目は恐ろしいが、親切な種族だな…これならテレパスで洗脳して忠実な奴隷に出来………あちぃーーーーーー………!!!!』ブクブク…
男は彼を風呂の中に放り込み、風呂の上にフタをした。彼は煮えたぎる熱湯にもがき苦しみ、必死に叫びながらフタを開けようとしたが、上から押さえられているらしく開かない。彼がさっき思った事がバレて怒ってしまったのか、よく分からないがこれから自分が殺される事だけはわかる。
宇宙人『助けて!ごめんなさい!死にたくない!何でもするから命だけは!(心の声)』ガボガボ…
思い虚しく、彼は煮えたぎる湯の中で最後まで意識が途絶える事なく苦しみ、そして力尽きた。
魔王「このタコ…全然赤くならんな…」
魔王妃「そうですねー…」
魔王「とりあえず食ってみるか…」パクッ…
魔王妃「どうですか…?」
魔王「………廃棄」ペッ…
~MAOU LIFE 18日目~ 終