MAOU LIFE
~MAOU LIFE 3日目~

魔王城敷地内の別邸(寮)101号室。8畳1間の畳貼りの部屋内。カシュッという爽やかな音を立ててゼクスが113G(1G=1円)の発泡酒の缶を開け、グッと喉に流し込んだ。

魔王「戦った後のビールは最高よな!」
魔王妃「本日は本当にお疲れ様でした、ゼクス様」
魔王「苦戦したが、今回は何とか勝つ事が出来て、まずは一安心だな」
魔王妃「はい、これで天界・人間界への輸出量が増えて少しは経済も安定しますね」

今日は天界の最高神、天帝アーリアと互いの特産品の輸出を賭けた戦いがあった。前回の戦ではゼクスが負けて魔界へ天界からの輸入品目が増え、逆に魔界の天界・人間界向け商品の輸出量が減り、経済的にやや余裕が無くなったが、今回は魔王が勝利したので、魔界の意見が通ったのである。

魔王「これで今回は魔界の連中にボーナスが払える。アーシュ、お前にも何か贈り物をさせてくれ」
魔王妃「そんな、私なんかに贈り物だなんて…私はゼクス様とシャルルたんさえ傍に居てくれれば、それだけで幸せですよ?」
魔王「普段お前には世話になっているからな、そこは我からの気持ちとして受け取ってやってくれ」
魔王妃「ゼクス様…ありがとうございます(涙目)」

ゼクスの言葉に感動し、涙ぐみながらアーシュはゼクスに甘えるように寄り添う。

魔王女「ほぷぅ!」
魔王妃「あうっ!(泣)」

ガラガラを投げてそれを邪魔するシャルル。

魔王妃「シャルルたん、どうちたんでしゅかー?おねむの時間でちゅかー?」
魔王女「ほぷぅ!」
魔王妃「あふんっ!シャルルたーん(泣)」

ゼクスの腕の中にいるシャルルを抱っこしようとしたところ、「いーやー」と言わんばかりに両手で拒否られるアーシュ。

魔王「シャルルにも新しい玩具を買ってやろうな?」
魔王女「ほぷぅ♪」
魔王妃「良かったでちゅねーシャルルたーん、ママも新しい服作ってあげまちゅからねー♪」
魔王女「ほぷぅ(怒)」

頬を膨らませてかなり不本意そうなシャルルだが、彼女の服は全てアーシュのお手製である。

魔王「おや?もうこんな時間か…そろそろ寝るか」
魔王妃「ゼクス様、今日は…」
魔王「わかっている、最近したくてもなかなか出来なかったからな」
魔王妃「…はい(照)…あ、ではシャルルたんは私が寝かしつけ…」
魔王「いや、それは我がやろう。お前がやると何故か泣き止まん」
魔王妃「あぅ…(泣)」

アーシュはいそいそと卓袱台とゴミを片付け、ダブルサイズの綿布団を敷き、枕を2つ並べて枕元にティッシュを置く。そしてゼクスは手早くシャルルを寝かしつけてベビーベッドに寝かせる。そして2人は夫婦の布団に入り、これから始まる愛の営みを…

魔王女「ふえぇぇ…(泣)」

シャルルに邪魔されるのであった(一晩中)。

~MAOU LIFE 3日目~ 終
< 3 / 52 >

この作品をシェア

pagetop