MAOU LIFE
~MAOU LIFE 27日目~
魔王の間から艶っぽく荒い息づかいと
官能的な声が扉の隙間から廊下に漏れている。
魔王妃「あうっ…そこ…はうぅ~…ゼクス様ぁ~…あぁっ!っく…ふぅ……いぃ…もっとぉ…」ハァハァ…
魔王「ここか…?ここが気持ち良いのか?コリコリしておるな…もっとしてやろう」ニヤニヤ…
魔王妃「あぁっ!ダメっ!そこぉ…」ハァハァ…
死神「職場で何やってんですか!?」バン…
魔王「…ん?マッサージだが?」ハテ?…
デスが勢いよく扉を開けると、玉座の前に正座しているアーシュと、玉座に座り彼女の肩を揉むゼクスがそこにいた。よく見るとデスの鼻からは血が少し垂れており、やや前屈みだ。
魔王「いくら不真面目な我とて、職場ではいかがわしい行為はせん!」キリッ…
死神「自分で不真面目って………てか魔王妃様もそんな紛らわしい声出さないで下さい!近くを歩いている兵共が前屈みになってましたよ!」
魔王妃「だって…ゼクス様があまりにもお上手だから…」ポッ…
魔王「昔じいさんの肩をよく揉まされておったからな」キリッ…
死神「そういう事ではなくて!…っと、そうでした、魔王様。初代魔王様がお見えになられております」
扉の所には6枚の翼と6本の角を持つ農作業着の老人が立っていた。右手には長年使い込まれたクワ、左手には大きな風呂敷包みを持っていた。風呂敷からマンドラゴラらしき物が顔を覗かせている。
初代「ボン!久しぶりじゃな!」
魔王「じいさん…まだ生きていたのか…」
初代「おぅおぅ、アーシュちゃんも相変わらずバインバインじゃのぅ!」
魔王妃「お、お祖父様…」カァァァ…
初代「おやおや、シャルルは寝ておるのか。相変わらずアーシュちゃんに似て可愛いのぉ!特に目つきなんかはボンに似らんで良かったのぉ」
魔王「目つきの悪さはじいさんの遺伝だ」
初代「そういや、ついこの間の飲み会でサンタの奴に聞いたぞ?まーだ新婚みたいならぶらぶな生活しとるそうじゃな」
魔王「はて?去年ヤツは来ておらんぞ?」
初代「ボンの部屋に寄ったらアーシュちゃんの色っぽい声が聞こえてきて、覗き見しとったら挨拶する時間が無くなったとか言っておった」
魔王妃「えっ…見られて…」カァァァ…
初代「プレゼントやるつもりが、こっちがいいもん見れたと言っとったぞ。あぁ、そんで奴に頼まれておったシャルルへのプレゼントと、ボンとアーシュちゃんへのプレゼントじゃ」
初代魔王が2人に小さなプレゼント箱を渡し、シャルルの顔の横にゼクスそっくりなぬいぐるみを置いた。2人はプレゼント箱を開けると、そのまま無言でゴミ箱に入れる。中身は精力剤だった。
初代「何で捨てるんじゃ?勿体ない、いらんならワシが貰うぞ?」
魔王「……ばあさんに使うのか?」
初代「ウップ…気色悪い事言うな。こりゃワシの愛人にだな…あっ、婆さんには内緒じゃぞ?」
魔王「心配するな、今すぐ伝えてやる」
ゼクスは携帯を取り出し、初代魔王妃である祖母に電話をかけようとしたが、すぐに祖父から止められた。
初代「待つんじゃ待つんじゃ!これやるから黙っといてくれ!いまは話をこじらせたくないんじゃ!」
初代魔王はゼクスに風呂敷包みを放り投げ、ゼクスはそれをキャッチした。中には大量の高級かつ鮮度の良い野菜や果物が入っていた。
魔王「ばあさんと何かあったのか?」
初代「実はな…」
話を聞くと、祖父が飲み会から帰ってきて服を祖母が洗濯しようとした時に、ポケットの中からいかがわしい店のメンバーズカードが出てきて、それがもとで喧嘩になったというのだ。
初代「それでな、相当酔っとったから本当に覚えておらんくてな?」
魔王「自業自得だろうが」
初代「最初は大人しくスナックで飲んでおったんじゃが、その後いくつかハシゴして…そんで気が付いたら朝大喧嘩じゃ。ボン、すまんが何日か部屋に泊めてくれんか?」
ゼクスは物凄く嫌そうな顔をしたが、アーシュが祖父の顔を立てる為に説得する。しかしゼクスは首を縦に振らない。そんな孫に初代魔王は泊めてくれたら野菜作りを教えるといい、ようやく交渉成立となった。
魔王妃「これでお野菜食べ放題ですね、ゼクス様」ニコニコ…
魔王「はぁ…じいさん、2週間だけだぞ?」
それからゼクスとアーシュは初代魔王から畑作り(寮の裏手)と野菜作りを教えてもらい、家庭菜園を始めた。毎日早朝から畑仕事をし、その後から魔王としての職務、そして子育てに家事。ゼクスとアーシュはヘトヘトになりながらも充実した毎日を過ごした。
初代「あっという間じゃったのぅ。婆さんの機嫌はどうじゃろうか…」
魔王「ばあさんにはじいさんから色々世話になっていたと伝えておくから心配するな」
魔王妃「またいつでもおいで下さい。シャルルたんも喜びますから」
魔王女「ほぷぅ」
初代「おぅおぅ、じぃじはまたシャルルに会いにくるからの。それじゃ、長いことすまんかったな」
こうしてゼクスの祖父は帰っていった。そして3日後、再び祖父がやってきた。
初代「精力剤が見つかってしもうた!婆さんにしばかれる!」
~MAOU LIFE 27日目~ 終
魔王の間から艶っぽく荒い息づかいと
官能的な声が扉の隙間から廊下に漏れている。
魔王妃「あうっ…そこ…はうぅ~…ゼクス様ぁ~…あぁっ!っく…ふぅ……いぃ…もっとぉ…」ハァハァ…
魔王「ここか…?ここが気持ち良いのか?コリコリしておるな…もっとしてやろう」ニヤニヤ…
魔王妃「あぁっ!ダメっ!そこぉ…」ハァハァ…
死神「職場で何やってんですか!?」バン…
魔王「…ん?マッサージだが?」ハテ?…
デスが勢いよく扉を開けると、玉座の前に正座しているアーシュと、玉座に座り彼女の肩を揉むゼクスがそこにいた。よく見るとデスの鼻からは血が少し垂れており、やや前屈みだ。
魔王「いくら不真面目な我とて、職場ではいかがわしい行為はせん!」キリッ…
死神「自分で不真面目って………てか魔王妃様もそんな紛らわしい声出さないで下さい!近くを歩いている兵共が前屈みになってましたよ!」
魔王妃「だって…ゼクス様があまりにもお上手だから…」ポッ…
魔王「昔じいさんの肩をよく揉まされておったからな」キリッ…
死神「そういう事ではなくて!…っと、そうでした、魔王様。初代魔王様がお見えになられております」
扉の所には6枚の翼と6本の角を持つ農作業着の老人が立っていた。右手には長年使い込まれたクワ、左手には大きな風呂敷包みを持っていた。風呂敷からマンドラゴラらしき物が顔を覗かせている。
初代「ボン!久しぶりじゃな!」
魔王「じいさん…まだ生きていたのか…」
初代「おぅおぅ、アーシュちゃんも相変わらずバインバインじゃのぅ!」
魔王妃「お、お祖父様…」カァァァ…
初代「おやおや、シャルルは寝ておるのか。相変わらずアーシュちゃんに似て可愛いのぉ!特に目つきなんかはボンに似らんで良かったのぉ」
魔王「目つきの悪さはじいさんの遺伝だ」
初代「そういや、ついこの間の飲み会でサンタの奴に聞いたぞ?まーだ新婚みたいならぶらぶな生活しとるそうじゃな」
魔王「はて?去年ヤツは来ておらんぞ?」
初代「ボンの部屋に寄ったらアーシュちゃんの色っぽい声が聞こえてきて、覗き見しとったら挨拶する時間が無くなったとか言っておった」
魔王妃「えっ…見られて…」カァァァ…
初代「プレゼントやるつもりが、こっちがいいもん見れたと言っとったぞ。あぁ、そんで奴に頼まれておったシャルルへのプレゼントと、ボンとアーシュちゃんへのプレゼントじゃ」
初代魔王が2人に小さなプレゼント箱を渡し、シャルルの顔の横にゼクスそっくりなぬいぐるみを置いた。2人はプレゼント箱を開けると、そのまま無言でゴミ箱に入れる。中身は精力剤だった。
初代「何で捨てるんじゃ?勿体ない、いらんならワシが貰うぞ?」
魔王「……ばあさんに使うのか?」
初代「ウップ…気色悪い事言うな。こりゃワシの愛人にだな…あっ、婆さんには内緒じゃぞ?」
魔王「心配するな、今すぐ伝えてやる」
ゼクスは携帯を取り出し、初代魔王妃である祖母に電話をかけようとしたが、すぐに祖父から止められた。
初代「待つんじゃ待つんじゃ!これやるから黙っといてくれ!いまは話をこじらせたくないんじゃ!」
初代魔王はゼクスに風呂敷包みを放り投げ、ゼクスはそれをキャッチした。中には大量の高級かつ鮮度の良い野菜や果物が入っていた。
魔王「ばあさんと何かあったのか?」
初代「実はな…」
話を聞くと、祖父が飲み会から帰ってきて服を祖母が洗濯しようとした時に、ポケットの中からいかがわしい店のメンバーズカードが出てきて、それがもとで喧嘩になったというのだ。
初代「それでな、相当酔っとったから本当に覚えておらんくてな?」
魔王「自業自得だろうが」
初代「最初は大人しくスナックで飲んでおったんじゃが、その後いくつかハシゴして…そんで気が付いたら朝大喧嘩じゃ。ボン、すまんが何日か部屋に泊めてくれんか?」
ゼクスは物凄く嫌そうな顔をしたが、アーシュが祖父の顔を立てる為に説得する。しかしゼクスは首を縦に振らない。そんな孫に初代魔王は泊めてくれたら野菜作りを教えるといい、ようやく交渉成立となった。
魔王妃「これでお野菜食べ放題ですね、ゼクス様」ニコニコ…
魔王「はぁ…じいさん、2週間だけだぞ?」
それからゼクスとアーシュは初代魔王から畑作り(寮の裏手)と野菜作りを教えてもらい、家庭菜園を始めた。毎日早朝から畑仕事をし、その後から魔王としての職務、そして子育てに家事。ゼクスとアーシュはヘトヘトになりながらも充実した毎日を過ごした。
初代「あっという間じゃったのぅ。婆さんの機嫌はどうじゃろうか…」
魔王「ばあさんにはじいさんから色々世話になっていたと伝えておくから心配するな」
魔王妃「またいつでもおいで下さい。シャルルたんも喜びますから」
魔王女「ほぷぅ」
初代「おぅおぅ、じぃじはまたシャルルに会いにくるからの。それじゃ、長いことすまんかったな」
こうしてゼクスの祖父は帰っていった。そして3日後、再び祖父がやってきた。
初代「精力剤が見つかってしもうた!婆さんにしばかれる!」
~MAOU LIFE 27日目~ 終