MAOU LIFE

～MAOU LIFE 32日目～

天帝「…という訳で天界の株価が一気に下がってだな」ﾊﾟﾁﾘ…
魔王「今回の人間界の北西国の国際連合加盟国離脱の影響は痛かったな。魔界も余波を受けて株価がだいぶ下がってしまった」ﾊﾟﾁﾘ…
天帝「これからどうなる事やら…」ﾊﾟﾁﾘ…
魔王「多分一時的な事だろうが、しばらくは様子を見て、長期化しそうなら対策を打たねばな」ﾊﾟﾁﾘ…
天帝「対策か……ところでゼクス」
魔王「なんだ？」
天帝「王手」ﾊﾟﾁﾘ…
魔王「待った」
天帝「待った無しだ」ｷﾘｯ…
魔王「ぐっ…うーむ」
天帝「どうする？潔く降参するか？」ﾌﾌﾝ…
魔王「こうなったら………痛っ」ﾌﾞﾁｨｯ…
天帝「鼻毛なんか抜いてどうす…」
魔王「は…は…へぇっくしょーーーい!!!!」ﾌﾞｱｯ…
死神「ちょっ(笑)」
天帝「ちょっ!!おまっ!!くしゃみで駒を吹き飛ばすな!!!!」
魔王「悪い悪い、最近鼻毛がやたら伸びるのが早くてな(嘘)」
天帝「…負けず嫌いだな」
魔王「あー…痛かった」ｼﾞﾝｼﾞﾝ…
天帝「ではもう一局、仕切り直しといこうか？」
魔王「そうだな」
天帝「もうくしゃみで飛ばすとか無しだからな？」
魔王「わかったわかった」

２時間後…。

天帝「王手！待った無しだぞ」ﾊﾟﾁﾘ…
魔王「……」
天帝「さぁ、負けを認め…」ｶﾞﾀｯ…
魔王「………」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ…
天帝「…っ、地震か!?」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ…
魔王「………」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ…
天帝「くっ！これは凄い揺れだ！ゼクス、２人とも！何をしている、早くテーブルの下に………ん？」ｸﾞﾗｸﾞﾗｸﾞﾗ…
天使長「…アーリア様、魔王様の足元を」
魔王「………」ｶﾞﾀｶﾞﾀ…ｼｰﾝ…
天帝「………お前の貧乏揺すりか」
魔王「悪い悪い。この窮地脱出を考えておったら、いつの間にか揺すっていたらしい」
天帝「お前の事だ…どうせわざとだろう？」
魔王「うわーひどーいアーリアが我を疑うー」
天帝「完全に棒読みではないか！」
死神＆天使長「「ふひっ(笑)」」
魔王「まぁまぁ、またやり直せば良い話であろう？」
天帝「う、うむ、まぁそうだが…」
魔王「では気を取り直して…」ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ…

それから２時間後…。

天帝「王手！…この盤には予め守護障壁をかけておいたから、駒を差す以外に駒の移動は出来んぞ？」ﾊﾟﾁﾘ…
魔王「わかっておる………ところで、喉渇いたな」
天帝「む？確かにな。ちょっと飲み物を持ってくるから、待っていてくれ」ｽﾀｽﾀ…
魔王「今だ…お前達、わかっておろうな？」ﾆﾔﾘ…

５分後…。

天帝「お前は珈琲で良かったな？」ｽｯ…
魔王「おぉ、すまない。あぁ、ところでお前の番だぞ？」
天帝「ほぅ？あの逃げ場の無い状きょ…………え？」
魔王「どうした？」
天帝「何故逃げ場が……お前ズルしたろ？」
魔王「証拠でもあるのか？お前が見落としていた場所を見つけただけだ」
天帝「う、うーむ…確かにハッキリ覚えている訳でも無いが………お前達、何か見たか？……そうか、見てないか。お前の言う通り私が見落としていただけだったようだ…」ﾊﾟﾁﾘ…
魔王「そんな所に置いて良いのか？」ﾊﾟﾁﾘ…
天帝「あっ…銀が！」

30分後…。

魔王「王手！」ﾊﾟﾁﾘ…ｷﾘｯ…
天帝「待っ…」
魔王「…たは無しなんだろう？」
天帝「くっ……」ｶﾞｼｯ…
魔王「卓袱台返しをしても守護障壁のせいで盤上の駒は動かんぞ？」
天帝「………」
魔王「降参か？」
天帝「…参りました」ｶﾞｸｯ…
魔王「良い勝負だった」ﾆﾔﾆﾔ…
天帝「しかし仕切り直しの回数を含めたら私の方が勝っ……」
魔王「降参宣言か、時間切れ以外に敗北は無い。よって、仕切り直し直前の勝敗は白紙も同然であろう？」ｷﾘｯ…
天帝「…そうだな。あー…今年も奢らなければならんのか…」
魔王「賭博とは非情な世界なのだよ、アーリア君。さぁ、天魔両界の親睦バーベキュー大会の肉の買い出しに行こうではないか」ｷﾘｯ…

こうして天魔両界のトップ２人はバーベキューの買い出しに行き、２人の対局を見届けていたデスとリンデは静かに爆笑していた。

～MAOU LIFE 32日目～　終