コタツムリ【短編】
気が付けば全身をコタツに入れていた。

元々入っていた奴が当然所有権を主張し抵抗したが、怠惰の極みな生活がアダとなり、私は難なく奴からコタツをぶん盗った。

奴は新たなコタツを求めてコソコソとどこかへ去って行った。

ああ、何てぬくぬくとあったか気持ちいいんだ。

ずっとこのぬくぬくに溺れていたい。

うんそうしよう。

私はコタツに潜り込んでもう何もしないと固く……もなくゆるく決意し、ぬくぬくに身をゆだね静かに目を閉じた。



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