毛布症候群

自分の部屋に戻って、鞄から教科書を出す。

玻璃は歴史が得意だというのに、どうしてあたしにその能力が備わっていないのか。

そう考えると、マオって万能だなあ。

「マオちゃんね……」

けほ、と咳が出る。

マオ、羊佑、天川先生。
頭がぐるぐるとする。

泣きたくなる。全部投げ出したい気持ちと、そんなことは出来ない現実がぶつかる。






結果は散々だった。

うちの学校は試験結果が上位の者は、定期試験でもはり出される。
個人情報がうるさく言われる現在なので、番号で書かれている。それでもみんな普通に誰がどの番号なのか把握しているから意味はあんまりない。

特にいつも載っている生徒はよく知られている。


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