毛布症候群
はあい、と言って手を洗いに行ってしまった。全くもう、と言いながらお母さんは玻璃の制服をかき集めて玻璃の鞄の上に乗せる。
「誰に似たのかしらね」
玻璃の磊落な性格はきっとこの人から受け継いだものだ。
部屋着のジャージを着た玻璃が戻ってきて、鞄の上に乗った制服を見て「ちょっとお母さん! 制服に皺できるじゃん!」と噛み付く。
「それなら自分の部屋で着替えなさい」
「だって部屋着がここにあるんだもん」
「こうしないといつまでも持って行かないでしょう」
中学生の子供とその親の言い争い。
いつも始まると長いので、あたしは立ち上がって自分の部屋に行った。
マオからメッセージが届いていた。
『ちゃんと学校来いよ』
あたしは不登校児か。