毛布症候群
無造作に横たわった男子生徒。
毛布もかけないで眠っている。その寝顔は健やかとは言い難く、眉間に皺が寄っていた。
君の夢かよ。
あたしはベッドに座って、額を押さえる。あ、とそこで思い出してしまう。
あの女性、確か先生だ。
久々にこの感じ。頭痛はしないのに、頭が酷く重たく感じる。
気分も、最悪。
「……先生とか」
名前も知らない男子が、先生を夢に登場させるくらい強い感情を持っていると知ってしまった罪悪感。
カーテンを閉める。ちょうど扉の開く音がして、八雲先生が顔を覗かせる。
「神津さん大丈夫? 顔色悪いけど」
「……雨だからですかね」
「雨?」
雨の日は特に、伝染りやすい。