毛布症候群
「あとコロッケふたつ」
コロッケも食べるらしい。
あたしは雑誌コーナーをうろうろして、出入り口に向かうマオを見て、一緒に出た。
「はい」
差し出されたコロッケ。反射的に受け取ってしまって、返すに返し辛い。
「校門の生徒指導に見つかったら面倒だから早く食べる」
「わかった、分かったから」
ぐいぐいと口に押し付けられ、最終的に口に詰め込んだ。じゃが芋の味が朝食べたソーセージの味を消していく。
「小塚くん、口の周り衣ついてる」
後ろから指摘する声が聞こえて、マオが振り向いた。聞き慣れない声なのであたしも一緒にそちらを見る。
天川先生。