毛布症候群
きゃっきゃ、とするのはマオが人見知りしてるからだ。羊佑と仲良くなりたいのかどうかよく分からない。
「今日、講座の前に掃除出来ればって」
「あーはい」
「なんで敬語?」
「なんとなく」
「小塚も来る?」
羊佑の視線がマオに移る。マオは首を振って否定を表した。
「花に水やりだったら協力したんだけど」
マオが大きく溜息を吐いた。
「緊張した」
「こっちは喧嘩しにきたのかと思った」
「そんな硝子じゃあるまいし」
「あたしもやらないわ」
知ってる、と当たり前のように言ってくる。いつものマオに戻ったらしい。