毛布症候群
溜息とともに聞こえた声。あたしはそれに少し笑う。
「玻璃の洗濯物も増えるしね」
「本当よ。玻璃! スープ冷めるわよ!」
お風呂場の方から「はーい」と玻璃の返事が聞こえる。
食パンの半分を玻璃の皿に移して、スープを飲んで朝食を終えた。
「ごちそうさま」
「硝子、傘持って行くの忘れないようにね」
「はーい」
あ、今の玻璃に似てたかも。
学校までの道に傘の花が咲いていた。
傘をとじて校舎に入る。上履きを履いていると、後ろから声をかけられた。
「神津、おはよ」
挨拶を躊躇った。
「あ、おはよう」
「なんだ今の間は」