毛布症候群
一瞬、天川先生に同棲相手の彼氏がいることを話そうかと思った。
マオには何でも話してきたから。
「実らないって決まったわけじゃないし」
「お、羊佑の肩を持つわけ」
「まあね、友達だし。応援するって、言っちゃったから」
この間の会話を思い出す。応援ってなんだろう、と言いながら思った。
「協力するなんて思わないけどね、僕なら。帰ろ」
「マオちゃんのお腹と違ってあたしは白いからね」
「僕のお腹が真っ黒みたいな言い方やめてよ」
カップを捨てて店を出た。「ありがとうございました」と店員がマニュアル通りの言葉を投げてくる。
外は少し明るかった。日の入りが遅くなってきている。
一週間後は中間試験だ。