毛布症候群
おおよそ、小塚繭巳はそのファンと話をつけに行ったんだろう。
分かってて告げた。少なからずあたしもムカついたからだ。
小塚繭巳に半分、あの先輩に半分。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃない」
「痛いの痛いの飛んでけー」
「……羊佑って優しいよね」
溜息と共に出た。おかずの中でプチトマトが鮮やかな色を放っている。隣で静かにしているブロッコリーから先に食べた。
「……俺は中間試験、手抜かないからな」
「羊佑が手抜いたところでね」
「失礼なこと言ってる自覚あります?」
「じゃああたしに勝ったら告白するってのはどう?」
箸を置く羊佑。ラーメンの丼は既に空になっていた。