毛布症候群
有名な両親をもつと、その関係の会食とかがあるらしい。うんざりした顔だけど、毎回かかさず行っている。
文系と主張するマオは親を尊敬している。
「大丈夫」
その肩を二回たたいた。
「じゃあ気をつけて」
手をグーパーとしてこちらに背中を向けた。あたしは古典の教科書を出してロッカーを閉める。
一週間前だから部活動は停止になっていて、殆どの生徒がまっすぐ家に帰っていく。
図書室も結構混んでる、とマオが唇を尖らせていたのを思い出した。
国語の教科担当室に行くと、そこにも生徒が溜まっていた。
天川先生も誰かに捕まってるかも。
扉の外から中を見てみようと首をのばしてみる。ぽん、と肩を叩かれた。