毛布症候群

有名な両親をもつと、その関係の会食とかがあるらしい。うんざりした顔だけど、毎回かかさず行っている。
文系と主張するマオは親を尊敬している。

「大丈夫」

その肩を二回たたいた。

「じゃあ気をつけて」

手をグーパーとしてこちらに背中を向けた。あたしは古典の教科書を出してロッカーを閉める。
一週間前だから部活動は停止になっていて、殆どの生徒がまっすぐ家に帰っていく。

図書室も結構混んでる、とマオが唇を尖らせていたのを思い出した。

国語の教科担当室に行くと、そこにも生徒が溜まっていた。
天川先生も誰かに捕まってるかも。

扉の外から中を見てみようと首をのばしてみる。ぽん、と肩を叩かれた。



< 86 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop