毛布症候群
まさかそのまま見過ごしてくれるわけがなく。
「風邪?」
頷いた。
靴を出して履く。少し遅れてマオがきた。
「よーすけじゃん」
「おはよ」
「おはよ、硝子は今風邪で弱ってるから数学で一位取れるチャンスかもよ」
余計なことを言わなくて良いから、と肘でマオを突く。
うっと呻く声が聞こえた。強く入りすぎたらしい。
「大丈夫?」
首を振る。
「生姜が良い、これ」
生姜飴を差し出してくれる。
「……ありがとう」
快く受け取った。
「先帰るよー」
靴を履き替えたマオが言うので、ポケットにそれを入れる。羊佑の後ろにはクラスメートがいた。